木工DIYでは用途によって接着剤を使い分けることが多い。
僕の場合、最終的に3種類の接着剤を使い分けている。
接着強度、速乾性、耐水性などの特徴で使い分けており、今回はその使い分けを中心に最強の木工用ボンドを紹介していく。
目次
木工用ボンドの種類
- (1)タイトボンド3(DIY全般)
- (2)白ボンド(広い面積用)
- (3)瞬間接着剤(主に治具用、時短作業用)

3種類を使い分けるよ
木工DIYで大人気の2種類のボンド【タイトボンド3Ultimate】と【白ボンド】。
初心者からプロまで使っている超優秀なボンド。ほとんどのDIYerがこの2種類を併用していると思う。
これに加えて、ジグ作りで活躍する【瞬間接着剤】の合計3種があれば困ることはないかな。
ボンドの使い分けとその性能を表にするとこんな感じ。
タイトボンド3 | 白ボンド | 瞬間接着剤 | |
---|---|---|---|
接着強度 | ◎ 4,000psi | 〇 1,450psi | 不明 |
クランプタイム | ◎ 30分 | △ 3時間 | 数秒 |
耐水性 | ◎ ANSI Type I(最上級) | X | X |
安全性 | ◎ FDA認証 | X | X |
推奨使用温度 | 8.3℃以上 | 10℃以上 | 不明 |
用途 | DIY全般 | 広い面積 | 治具 |
では3種類のボンドの特徴と使い分けについて説明していく。
木工用1:タイトボンド3 Ultimate

- DIY最強ボンド
- 耐水性、耐候性も最強
- 食器にも使える安全安心のFDA認証
- 固まるのが早い 30分
- 固まった後も硬いので研磨できる
- 値段がやや高い

これ1本あればOK
DIYerはみんな大好き「タイトボンド3Ultimate」。
プロも御用達の最強ボンドと言っていい。
僕もこのタイトボンド3Ultimateをメインで使っており、接着作業の90%以上となっている。
最強の接着強度 4000psi
タイトボンド3の接着強度は4000psi。白ボンドの1450psi(=10N/mm^2)の約3倍という驚異の数字を叩き出している。
この強力な接着強度は、木材自体の強度を上回り、接着後に強引に木材を引きはがそうとすると、接着剤が剥がれるよりも先に木の表面が破損する。
それくらい強力で、机やイスなどの負荷のかかる場所では、タイトボンドを使っていればまず安心、といえるような接着剤だ。
かなり硬めに固まるので、研磨して母材になじませたりできる。
何にでも使えて、木材、紙、布、竹、皮、陶磁器、石膏、コルク、発泡スチロールにも使えちゃう。
もう最強。
耐環境性も万能
耐水性、耐候性も最強なので屋外で使う場合もこれ一択。
最強の接着強度が様々な環境でも発揮できる優れた環境性能も備えている。
白ボンドが使えない水回り、紫外線の降り注ぐ屋外でも接着力が低下せずに安心して使える。
食品衛生法に適合
FDA認証されていて、アメリカの食品衛生法に適合している安心安全のボンド。
食器、まな板などの食品周辺のものにも使える安全なボンド。
固まるのが早い
タイトボンド3は固まるのが早く、作業の中断時間を大幅に短縮してくれる。
クランプすれば30分くらいで固まって、剥がそうとしたら木材の表面が持っていかれるくらい強い。
白ボンドでは24時間の待ちが発生するけど、タイトボンド3ならすぐに次の作業ができる。
体感10分くらいで十分な接着強度だと思う。
値段はちょっと高め
最強の木工用ボンドは性能も高けりゃ、お値段もお高め。
225mlで1,300円とお高いけど、DIYレベルで1年間で使い切ることはないと思う。
少なくとも僕は225mlを1年で使い切ったことはない。テーブル、サイドテーブル、棚、雑貨を作っても余るくらいだ。
木工用2:白ボンド、学校ボンド

- コスパ最強
- 接着強度は1450psi(=10N/mm^2)
- 接着後はやわらかめ
- 接着時間が長い(実用強度3h)
- 耐水性、耐候性はよくない

コスパに優れたボンド
木工用ボンドの代名詞で白ボンド、学校ボンドとも呼ばれている。
みんなも小学校の図工の時間にお世話になったはずだ。
でも実はプロの木工作家さん、大工さんも常用する優れた木工用ボンド。
メーカーはコニシ、セメダインがあるけど、中身は同じと思っていい。使い方も同じ。
木工と書いてるけど、紙、布、革にも全然使えるやつ。
でもプラスチック、金属、ガラスにはくっつかないので注意してほしい。
100均のプラスチック製品なんかは全然くっつかない。
具体的にはPEポリエチレン、PPポリプロピレン、シリコン、テフロン。表面がツルツルしてる素材、水をはじく素材で覚えればOK。
くっつかない素材でも強力に接着できるボンドは別の記事にしている。
ちゃんと使えば十分な接着強度
白ボンドの接着強度は1450psi以上。タイトボンドの4000psiに比べると小さく感じるけど、十分な面積を両面塗布して圧着すればしっかりと接着してくれる。
広い面積を接着するときに使う
固まるのが遅く、実用強度に達するには3時間必要になる。
連続作業には妨げとなるけど広い面積に塗布する、またはあまり強度を必要としない部分では問題にならない。
なので僕はベニヤ板のような広い面積を接着するときには、白ボンドを使っている。面積が広いと白ボンドでも十分な接着強度になるし、何よりゆっくり固まってくれたほうがいい。
水回り、屋外には不向き
耐水性、耐候性はよくないので屋外用途には使えない。
しかし耐水性が無い代わりに、水で薄めて塗布できるので模型、ジオラマ、布などの繊維質を扱うときに重宝する。
また接着剤は白いけど、固まると半透明になるので色の変化を心配せずに安心して使える。
ジオラマのフェイクモスの固定なんかに使える。
モノづくりをする人なら、一本は持ってて損はない接着剤だ。
固まるまでの時間が長いので、広い面積やちょっと位置調整したいときに使える。
正直、この木工ボンドと次のタイトボンド3の2本でいいと思う。
木工用3:瞬間接着剤

よく使う瞬間接着剤が【LOCTITE 多用途プロユースタイプ】。
一般的な瞬間接着剤はサラサラなので木にしみこんでしまい、うまく接着できないことがある。
しかしこのLOCTITE多用途は粘度が高く染み込まないので、強力な接着性能を発揮してくれる。
個人的に良いと思うところが、【アルミパッケージ】なので保管しやすいところだ。誤って接着剤をこぼす心配がないのもいいところ。

治具づくりに活躍するよ
木工用瞬間接着剤は木工用ボンドに比べて圧倒的に速い硬化時間にある。
ササっと作ってしまいたい治具づくりに大活躍する。木工用ボンドと併用して使うことが多い。
位置調整できるタイプ

まあ便利
木工用瞬間接着剤で有名なアルテコ。
瞬間接着剤自体が遅効性で1分くらい必要なんだけど、プライマー(硬化促進剤)を吹きかけると瞬時に固まってくれる。
なので微調整がしやすく、好きな位置で接着できるので便利。
DIYでは治具づくりが結構あるので1本は持っておいたほうがいい。
木工用ボンド+瞬間接着剤

木工用ボンドの耐久力も欲しいけど、作業を早く進めたいときのコツ。
木工用ボンドを木全体に塗布せずに、一部だけ瞬間接着剤を塗布する。1分くらいのクランプですぐに次の作業ができるのでぜひ活用してほしい。
こういう治具づくりに大活躍する。
ゴリラウッドグルーとタイトボンドの違いは?

タイトボンドの良く比較される呉のゴリラウッドグルー。
ゴリラウッドグルーも優秀なボンドで、ホームセンターに売っているので入手性が良いのが特徴だ。
性能をタイトボンドと比較するとこんな感じ。
タイトボンド3 | ゴリラウッドグルー | |
---|---|---|
接着強度 | ◎ 4,000psi | 不明 |
耐水性 | ◎ ANSI Type I(防水性) | ANSI Type II(耐水性) |
FDA認証 | あり | あり |
粘度 | やや低め(塗りやすい) | 高め(垂れにくい) |
価格 | やや高価 | やや高価 |
入手性 | ネット通販 | ◎ ネット通販、ホームセンター |
ゴリラウッドグルーは接着強度が公開されていないので不明。タイトボンド3と比較実験されることがあるけど、接着強度では劣っていることが多い。
耐環境性もタイトボンドに比べると少し劣る。耐水性もANSI Type IIでタイトボンドのType Iよりワンランク劣ってしまっている。
なので全体的なイメージとしてはこんな感じだ。
タイトボンド3 > ゴリラウッドグルー > 白ボンド
しかしゴリラウッドグルーは白ボンドに比べると完全に上位互換の性能なので、優秀なボンドであることは間違いない。
ホームセンターで売っていることが多いので入手性が高いのも良いところだ。
正直、DIYレベルであればゴリラウッドグルーでも十分な性能だと思う。タイトボンド3はちょっと過剰な性能かもしれない。
でも小銭程度の差で安心が買えるので僕はタイトボンド3を選ぶかな。
まとめ
負荷のかかる部分では強力なタイトボンド3があれば安心。
ちょっとお高めだけど、1年で1,300円くらいの225mlならリーズナブルだと思う。
強度が必要なかったり、ベニヤ板などの広い面積には白ボンドで十分。
接着剤はDIYに必須アイテムなのでうまく活用してほしい。