木材の木表、木裏の違いとその使い方について解説する。

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【木表と木裏とは?】木材の反りや防ぎ方を解説

木材には表と裏があるの知ってた?

木材の表裏は、家具の美しさだけでなく、その寿命にも大きく影響を及ぼしてくる。

丹精込めて作ったテーブル天板が翌日にはびっくりするくらい反った、、、

そんなヒヨコの失敗と学びをみんなと共有しようと思う。


木表と木裏とは?その違いを解説

木材の木表と木裏が材木のどの位置から加工されているのか説明する。

木表(きおもて)とは?

木表は木の表皮側にあたる。木目が美しいが、反りやすい。

木表とは、木の外側(樹皮に近い側)を指し、特徴は

見た目:表面が滑らかで、仕上がりが美しい
収縮性:縮みやすい(木裏の2倍)。乾燥すると内側に反る。
特徴 :ウッドデッキの表面、机の天板、床材など、見た目を重視する場所に最適

表面がきれいなので、家具の表面側によく使われているんだけど、、、諸説ある。

プロの家具職人さんでもテーブル表面に木裏を使う人もいて、結構まちまち。

個人的には見える側、手に触れる側は木表を使ってるかな。でもあんまり気にしてなくて、きれいな面を選んで使ってる。


木裏(きうら)とは?

木裏は木の中心側に位置する。ささくれやすい。しかし反りにくい。

木裏とは、木の内側(中心部に近い側)の部分を指し、特徴は

見た目:木目が少し粗く、節が目立つことがある。
収縮性:縮みにくい。乾燥すると外側に反る。
特徴 :強度があり、安定している。

続いて【木の反る方向】を見ていこう。


木材の反りと木表・木裏の関係

木表が縮んで反るよ

木表が沿っている様子

木が反る原因:水分量の変化

水分量のバランスが崩れる

木材は水分量が変化して繊維が伸縮することで反ってしまう。

水分量が増えると膨張し、水分量が収縮する

水分量が変化する原因はざっくりこんな感じ。

  • 時間経過による乾燥
  • 季節による吸湿
  • 日光
  • エアコンの風
  • 塗装

無塗装のテーブルにコーヒーをぶちまけると翌日には反っちゃう。(経験あり)

陽の光やエアコンの風が直撃する場所のテーブルなども反りやすい。

つまり、日常的に使っていれば、

【基本的に木材は反る】って思ったほうがいい

材木屋さんのようなプロでも完全に反りを防ぐことはできない。

でも反る方向は予想できるので、その方向を予想した対策と設計を心掛けよう。

ではどのような方向に木は反るのか?

繊維の伸縮方向(反る方向)

木材が縮みやすい方向と縮まない方向の説明

横方向木口は良く縮み、長さ方向(木の繊維方向)はほとんど縮まない

杉の場合は1%くらい縮むよ

杉の場合は最終的に横方向は1%くらい縮む。1mなら10mmも縮んでしまう。すごくない?

対して、長さ方向はほとんど縮まない。経験上2mくらいまでなら変化は見られない。


反りやすい木材

  • 針葉樹
  • 無垢材
  • 薄い木材(特に薄いベニヤ、1x材)
  • 塗装していない木材

針葉樹は広葉樹より水分が多いので反りやすい。なのでホームセンターで薄い木材の代表であるカット合板、1x材は結構な確率で反っていると思う。

そして無垢材は集成材よりも反りやすい印象だ。まあ集成材も反るときは反るんだけどね。

なので買うときは良く選んで反りの少ないモノを選ぼう。

そうやって選んでも使っていくうちに反ってしまうのでしっかりと対策しよう。


反り対策

どんな反り対策があるのか見ていこう。

テーブル天板などで平面が必要なところには全部の対策をするよ。

  • 反り止め
  • 塗装
  • 乾燥した材を使う

対策1:反り止め

テーブル天板に反り止めをした効果

テーブル天板の裏側に取り付ける【反り止め】で物理的に反りを防ぐ方法になる。

反り止め金具を使うのが一般的で確実。

テーブル天板を扱う材木屋さんでもオプションにあったりする。

下の写真はラジアタパイン集成材のテーブルなんだけど、裏側に3本の反り止めを入れている。

テーブルサイズは600mmx900mmx25mm。オイルフィニッシュで両面に塗装を3回している。5年ラフに使っているけど、反り・曲がりなく使えている。十分な効果があってうれしい。

DIYで作ったテーブルに反り止めを入れた本数

集成材に木表、木裏は明確に無いので、反り方向を明確に特定するのは難しい。なのでキレイな面を表側に使っている。

無垢の一枚板なら反り止めは木裏側に取り付けよう。無垢の一枚板なんてめちゃくちゃ高いけどね。

対策2:全面に塗装

テーブル天板の両面にオイル塗装した様子

水分量の変化を抑えるために全面に塗装して反りを防ぐ方法になる。

おすすめは【オイルフィニッシュ】or【ワックス】

間違っても片面だけ塗装するのはやめておこう。

翌日には立派に海老ぞってしまう

一番効果があるのは【ニス】などの造膜系塗装で吸湿を完全にシャットアウトする方法。ウレタンニス、ペンキとかになる。

でも造膜系塗装は手触りが透明なプラスチックになってしまうので、個人的にはあまり好みではないんだよね。

方法3:乾燥した木材を使おう

同じ角材でも【KD材】【AD材】【グリーン材】ってのがホームセンターで売られている。

DIYなら【KD材】を選ぼう。間違っても【グリーン材】は選んではいけない。

【KD材】:DIY向き

DIYならKD材一択

【KD材】は窯で人工乾燥させて最も反りにくい。なので家具などのDIYに最適。

【AD材】は屋外で自然乾燥させた木材。適度に反るけど、木材の粘りも適度で建築材に向いている。プロ向け。

【グリーン材】

安い

ほんとそれだけ。めちゃくちゃ曲がるし反る。


反りを考慮した設計

反り止めができない場所もある。そんなときは反りの方向を考慮した設計がオススメ。

設計を考慮しつつも、塗装もしておけば反りはかなり抑えられる。

テーブルの脚に使うとき

テーブルの脚と床の接する面に2x4を使うときの注意点

あまり一般的ではないんだけど、テーブルの脚として2x4などを床に寝かせて使いたいときもあると思う。

その場合は木表を床側にして使おう。木裏側を床側に使うとめちゃくちゃガタいてしまう。

木裏を床側に使うとガタついてしまう。

木裏は山型に反るので、床と1点で接してしまい、ガタついてしまう。

対して木表を床側に使うと2点で床と接するのでガタツキが抑えられる。

木表を床側に使うとガタつかない

棚、本棚

棚の背板、側板には木裏が表側に来るようにして使う

棚や本棚を作るときは木裏が表側に来るように組み立てることをおすすめ。

コーススレッドでビス留めすると思うんだけど、木裏側からビス留めしたほうが反りを矯正しやすいからだ。

木裏より木表に曲がる力のほうが大きい。

なので木表側を棚の外側にすると、1年くらいで結構隙間が目立ってきちゃう。


小物雑貨を作るとき

テーブルの小物雑貨をDIYする時は木表が下になるように作る。

木表を下側

テーブルの脚のときと同じで木表を下側にすることが多い。がたつきを抑えやすくなる。


まとめ

DIY初心者だったヒヨコは木表、木裏の存在を知らなかった。塗装の重要性も知らずに無垢の杉板でテーブルを作って、引くほど天板が反ってしまった経験がある。

愚かなヒヨコと同じ過ちをしないように、ぜひこの記事の情報を役立ててほしい。