丸ノコスライド台の作り方

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丸ノコスライド台の作り方【材料一覧】と【寸法図】

1,000円で作るよ

直角と寸法精度が高く、作るのが簡単、そして安価に作れる丸ノコスライド台の作り方を紹介しようと思う。

テーブルやスツールの脚のように、複数本の【同じ長さ】【直角】カットで悩んでいるDIYerの一助になれば幸いだ。

使用する材料一覧と寸法図も公開しているので参考にしてほしい。


丸ノコスライド台って何?なぜ必要?

丸ノコスライド台外観ななめ
丸ノコスライド台外観よこ
丸ノコスライド台外観縦

木材を精度よく直角に切るのは難しい。しかも再現性高く、同じ寸法でカットするのは初心者ではなおさら。

丸ノコ定規であればまっすぐの直線カットはできるけど、直角精度を求めるのは無理がある。

そこで【丸ノコを一定方向にスライドさせ、正確なカットを再現できる治具】を作って、精度の高いカットを実現させる。

何も考えずに正確なカットを量産できる素晴らしい治具。

それが丸ノコスライド台

ぜひ作ろう。

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導入するメリット

直角カット
  • 直線カットの精度が向上
  • 直角カットの精度も向上
  • 角材、小さい材、合板までカットできる汎用性
  • 安全性が高い
  • 材料の固定が楽

DIY初心者でも安心 丸ノコスライド台の特徴

今回の丸ノコスライド台の特徴

項目内容
カット寸法(深さ)最大45mm
カット寸法(縦)最大330mm
カット寸法(横)1mも可
材料費約1,000円
材料合板12mm、ビス、接着剤
難易度初心者向け
使用工具丸ノコ、電動ドリル、クランプ
作業時間2~3時間
切り込み深さ
チップソー径とカット深さ
切断可能な長さ
切断できる幅
カットできる長さ
カットできる長さは延長可能

今回紹介する丸ノコスライド台は構造用合板だけで設計した。スライドレールにアルミLアングルを使う方法もある。アルミのほうが耐久性は高いけど、その代償として丸ノコベース側がキズ付いたり摩耗する。それが嫌だったので、スライドレール部も構造用合板にした。安いしね。

また、アルミLアングルは結構たわむ。

考慮すべき構造

丸ノコ刃のサイズ

今回は丸ノコ刃(チップソー)165mmで設計している。

使用する丸ノコ刃のサイズに合わせて、スライド丸ノコ台の高さを変更してほしい。

カットしたい材料の大きさ

僕の場合は2x4の厚み38mmより厚い材料を切ることはほとんどない。なのでちょっと余裕を見て、45mmまでカットできるような設計にした。(実際には48mmまでカットできる。)

縦方向の最大カット幅は330mm。そこそこ大きめのベニヤ板も切ることができる。

横方向の最大カット幅は特に制限無し。1mでも2mでもカット可

各自の好みに合わせて土台のサイズを調整してほしい。

丸ノコの重さに耐えられる強度

丸ノコの重さでスライド部分がたわまないような強度が必要。たわんでしまうとカット精度が著しく低下するからだ。

本治具のスライド部分は厚み12mmの合板を2枚重ねて24mm厚。長さが330mmであれば十分な強度だ。

たわまないレール

材料一覧と寸法図

名称寸法mm(横x縦)数量
A底板400x5001
B柱(奥)175x304
C柱(手前)70x308
Dレール(左)70x5001
Eレール(右)30x5001
Fガイド板15x5002
G直角フェンス板400x304
H木工用ボンド--
Iビス(長)φ3.3x45
Jビス(短)φ2.4x16
合板の厚みは全て12mm
部品紹介

構造用合板12mmのサブロク(910x1820)が1/3あれば十分。おおよそ800円くらいかな?

厚みは15mm、24mmでもOK。治具を軽量化したかったので12mmを選んだ。

この段階では直線性さえあれば、寸法誤差が数ミリあっても全然OK

合板の種類も問わない。歪みが少ないランバー、MDFがいいかもね。

寸法が出ている角材や無垢材でもいいけど、ねじれや歪みに気を付けよう。


丸ノコスライド台の作り方

では作り方を見ていこう。

気を付けなくちゃいけないのは、フェンス板の直線性と角度

あとは結構適当でもOKだ。

1:材料の切り出し

合板を買ってきて、丸ノコ定規でカット。大雑把なカットはホームセンターのカットサービスを利用してもいい。

先述したように、この切り出し段階で直角や寸法精度は必要無くて、直線性さえあればいい。

2:柱の接着

合板の接着
タイトボンドならすぐに接着できる
合板の接着後
クランプで圧着

部品B柱(奥)と部品C柱(手前)x2個の合計3セットを接着する。レールを固定するための柱を接着する。枚数は4枚1セットだ。

高さが揃えばいいので、縦横サイズがばらついてもOK。

高さが揃わないときは、カンナやサンディングで調整するか、木口テープのような均一な厚みのシートで調整しよう。合板ならそこまで誤差が出ることはないかな。

3:底板に柱を組付け

柱の位置
柱の位置
丸ノコのサイズに合わせる
丸ノコのサイズに合わせて位置決めする

底板に柱3セットを接着して、ビス止めする。

この柱はスライドレール部を支えるだけなので、特に位置精度は必要ない

使用する丸ノコベースの幅に合わせて組付けよう。

ビスは底板の裏側から打つので、皿取錐などで頭が出ないように注意。

皿取錐を使ってビスが飛び出ないようにする
ビスの頭が飛び出ないように皿取錐でざぐっておくこと

4:レールの組付け

レールの位置
ノコ刃のカバーが跳ね上がるように
ノコ刃のカバーが跳ね上がるように位置調整する

左右のレールを柱の上に組み付けよう。

このレールも加工精度に影響しないので、おおよその位置でOK

でもノコ刃がレールと接触しないように注意が必要。しかし右側のレール板でノコ刃のカバーは跳ね上がるようにそこそこノコ刃に近い位置で調整が必要だ。

レールは摩耗したら交換するかもしれないので、接着剤ではなく両面テープがいいかも。

ビス止めは左右2ヶ所ずつで合計4か所。丸ノコベースが接触するので、ビス頭が飛び出ないように注意。

ビスの位置は柱の内側。柱の外側にはガイド板が組み付くので余白を残すこと。

レールのビス止め位置
ビスは柱の内側に打つ

5:ガイド板の組付け

ガイド板の組付け
丸ノコがスムーズに動くこと

ガイド板は丸ノコがいい具合に動く間隔で接着する。広すぎず、狭すぎず、スムーズに丸ノコが動かせるくらいがベスト。

このガイド板も組み付け位置に特に指定は無い

丸ノコベースと接触する部分なのでガイド板にしっかり直線が出ていればOKだ。この部分が歪んでいるとまっすぐ切ることができなくなる。

ガイド板のビス止め
ガイド板には2種類のビスを使う

ガイド板のビス止めには長さが違う2種類のビスを使う。

ガイド板の両端は柱とビス止めするので【長いビス】。2x2で合計4本。

中間部分はレールとビス止めするので【短いビス】。4x2で合計8本。

6:丸ノコで切り込みを入れる

丸ノコで切り込みを入れる
丸ノコで基準となる切り込みを入れる

丸ノコの角度をしっかり調整してから、底板に切り込みを入れる。

この切込み線が基準位置になり加工精度の要となる。基本はこの切込み線だけをチップソーが動くことになる。

7:フェンス板の接着とカット

フェンス板4枚を接着する。

接着できたら、フェンス面を丸ノコで切り揃えて平面を出してやろう。

このフェンス面だけは直線性と平面性が必要。

フェンス板の平面カット
組付け前にフェンス面の平面を出す

8:フェンス板の組付け、調整

ここが一番重要

角度調整ができるように、フェンス板の左端1ヶ所だけビス止めしよう。

フェンス板の仮止め
仮止め

底板の切り込み溝とフェンス板が直角になるように慎重に調整しよう。

「スコヤ」「差し金」を使って直角が出ていることを確認したら、フェンス板右端を仮固定して試し切りする。

この調整がこの治具で最も大事な工程になる。加工精度を大きく左右する。

直角の調整
この直角が一番大事

直角を確認出来たら、裏側からフェンス板をビス止めして固定する。後で微調整するかもしれないので、接着剤は使わない。ビスを5本くらい使えばずれることはない。

以上で完了

治具を長持ちさせるためにレール板とガイド板にシリコンスプレーを吹いておこう。丸ノコベースにも塗布しておくと、すべりが良くなって摩耗を大きく低減できる。


実際の使用感レビュー

・正確なカットができる

・簡単で楽

・軽く、持ち運びができる

手軽で簡単に正確なカットができるのはほんとにありがたい。

スコヤで確認してもまったく誤差が分からないくらいの精度だ。

カットラインが固定なので切りたい場所を正確にカットできるのもいい。

軽量化できたので気軽に設置ができて、使いやすいと感じる。

いままでいろいろ工夫しながらカットをしてきたけど、何も考えなくても高精度の加工精度を手に入れることができた。

丸ノコスライド台の全体像
全体写真
裏側のビスの位置
裏側 ビスの位置
刃の通る位置
ノコ刃は同じ位置を通る
試し切り
ベニヤ板を切る
合板の精密なカット
精度の高い直角カットができる

まとめ

DIY初心者で電動工具の扱いに不安がある人にオススメ。

特にテーブルやスツールの脚のように同じ長さを量産するDIYでは大きな力を発揮してくれる。

治具も1,000円以下なので、DIYのトレーニングだと思ってチャレンジしやすいと思う。