DIY作品の完成度に大きく影響する塗装。
塗装の一大勢力である「ワックス」はDIYでポピュラーな塗料だ。
その中でも最大勢力なのが、みんな大好き「ブライワックス」。
次に続くのが「オールドウッドワックス」。(異論は認める)
今回はその2種のワックスの違いについて紹介していく。
DIYのワックス塗装に迷ってる方の一助になれば幸いだ。
ワックスとオイルフィニッシュの比較記事もあるので興味があれば読んでほしい。
アンティークワックス、ヴィンテージワックスも有名だけど値段以外はメリットがないので今回は割愛する。
オールドウッドワックス、ブライワックスの違い
まず初めに、ワックスの基本的な使用目的。
ワックスとは木材を味のある古材風に仕上げてくれる塗料だ。
これはどのワックスも基本は同じで、着色することで木目や傷を際立たせ、古材のように仕上げてくれる。
一方、高級家具のような重厚なツヤ、手触りを求めるならオイルフィニッシュをオススメする。
どちらか一方を選ぶなら?
どちらか一方を選ぶなら、「オールドウッドワックス」がおすすめ。
ワックス性能だけ見れば後発であるオールドウッドワックスに分がある。
特に「色移りしにくい」、この一点だけでオールドウッドワックスを選ぶ価値がある。
一方でブライワックスが優れているところは「塗りやすさ」だ。
これは色移りのしやすさとトレードオフ関係にあって、塗りやすさの代償としてブライワックスは色移りしやすい。
マジで気を付けてほしい。ズボンやシャツがいつの間にか茶色くなる。
ざっくり両者の違いはこんな感じ。
- オールドウッドワックス ・・・ 色移りしにくい。やわらかいバターの硬さ。臭くない。
- ブライワックス ・・・ 色移りする。溶けかけのアイスみたいにトロトロ。かなり臭い(トルエン入りは特に)
このほかにも結構な違いがあるので比べてみた。個人的には保管性も大きいと思っている。
色移りに顕著な差
顕著な差があるのは「色移り」。
オールドウッドワックスは、塗布後も色移りしにくい。
っていうか、ウエスで異常なほどこすっても、色移りした?くらいだ。
日常使いでは色移りしたことはないので、テーブルなんかにも使える。
一方でブライワックスは公式でも記載があるんだけどテーブルの天板や、イスには向かない。
服がこすれたり、ウエスで少しこするとすぐに色移りするからだ。しかも永遠に。
ブライワックスは「気温が20度以上になると液体化します」って宣言するくらい。
融点が低いので塗布後も色移りしやすくて、特に日光が当たる場所に塗装するのはおすすめしない。
まあ涼しいイギリス生まれのブライワックス君なので仕方がない。
におい
ダメな人はほんとにダメな匂いについて。
オールドウッドワックスは無臭。全然くさくない。
ブライワックスはにおいが強い。結構なにおいが続く。特にトルエン入り。あいつはやばい。
艶が出る代わりにシンナー臭がすごい。体に悪そうなにおいを本能で感じるくらい。
ブライワックスを選ぶときはトルエンフリーをぜひ選んでほしい。
トルエン入りは「オリジナルワックス」なので注意。なので以降はトルエンフリーだけを比較していく。
しかも、その艶もオイルフィニッシュに遠く及ばないんだよなー。
艶だし
ブライワックスとオールドウッドワックスでほとんど差がない。
両者ともに塗り重ねやふき取りまでの時間で調整できる。
上の画像はオールドウッドワックスを左から1~3回塗った画像なんだけど、3回塗りのほうが艶が出ている。
1→2回目では艶に差があるけど、2→3回目はほとんど差はない。横に並べてじっくり見たらわかる程度。
詳しい塗り方を紹介しているのでぜひ。
手触り
オールドウッドワックスはさらっとした手触り。
ブライワックスもさらっとした手触り。
つまりほとんど差はない。無塗装に比べたら両者ともにすべすべ。
手触りは塗り重ねで大きく差が出て、1→2→3回塗りで大きく違いが分かる。
3回塗りまでやれば滑らかな木肌になってくれる。
カラーバリエーション
色合いは同じカラー名でもメーカーや塗料ごとにかなり違うので比較が難しい。
なので今回はラインナップで比較した。
オールドウッドワックス 11色
ブライワックス 8色
好みで選んでいいと思う。
ブライワックスには白系統がないのでちょっと残念。(トルエン入りにはある)
塗りやすさ
ブライワックスが塗りやすい。
塗装色によって違いはあるけど、ワックスが柔らかいブライワックスのほうが若干塗りやすい。
なので作業効率はブライワックスのほうがいい。
でも液だれしやすいので注意が必要。
個人的には液だれしないオールドウッドワックスのほうが好み。
コスパ(一缶当たりの塗り面積)
オールドウッドワックス 10~15㎡
ブライワックス 4㎡
圧倒的にオールドウッドワックスのコスパがいい。
使っててもわかるけど、ブライワックスのほうが減りが早い。結構違う。
オールドウッドワックスは伸びがいいので少量で塗布できる。
保管のめんどくささ
個人的に結構大きな違いだと思っている保管性。
ブライワックスの缶は一度開けたら閉まらない奴がいる。結構な頻度で。
缶のフタがベコってなって、密封できない。なので小さなクランプを2個使って常時抑え込んで保管している。
めんどくせーんだ、これが。
そして、夏場は「冷蔵庫などで20度以下での保存してね」もかなりめんどくさい。
あんな臭いの強いモノを入れるのは無理やで。
その点、オールドウッドワックスは面倒な保管条件がないので楽。
日本のターナー社はやっぱり品質がいい。缶も丈夫。常温保管できる。好き。
まとめ
最初に述べた通り、「オールドウッドワックス」をオススメする。
でもブライワックスも優れた塗料だ。
DIYワックスの代名詞になるくらいのワックスなので品質はいい。
なのでブライワックスを使い続けるのも全然ありだと思う。
実際僕もブライワックスもオールドウッドワックスも両方を使っている。
オールドウッドワックスは知名度が低いだけで、いいワックスだ。
これからワックス選びをするDIYerの選択として活用してくれたらうれしい。