ボンドや接着剤は種類がありすぎて、どれを選ぶか迷ってしまう。
材料や使用目的で効果が大きく変わってしまうので初心者にはけっこう難しい。
なので今回は、ハンドメイドやDIYの用途ごとに適した接着剤を紹介していく。
使い方次第で、工数や部品点数を減らせて利益に貢献してくれるすごいやつ。
それがボンド。僕は大好きだ。
目次
接着剤の選び方
1:接着できる素材、できない素材
木材、金属、プラスチック、布、革など素材に適した接着剤を選ぼう。
接着剤ごとに固まる条件が違ったり、くっつかない素材がある。
オールマイティーなイメージのある瞬間接着剤でも、種類によっては金属NG、プラスチックNGの製品もある。
よく使う木工用ボンドは「木工」と名乗るだけあって、プラスチック、金属、ガラスはくっつかない。
ほとんどの接着剤が使えない樹脂のPP、PEなんてものもある。使える接着剤は後で紹介するので安心してほしい。
2:接着強度
使われる環境や必要とする強度によって選ぶことが大切。
広い面積に使うなら低い接着強度の接着剤でいいし、小さな部品で強力に接着したいならエポキシなどが必要になる。
3:硬化時間
一瞬~24時間まで様々あるので作業に合わせて使い分けるよう。もしくは両方使うことになる。
それほど強度は不要ですぐに固定したいなら瞬間接着剤だけど、耐衝撃性が必要なら24時間の硬化を必要とする接着剤を選ぶことになる。
4:粘度、使いやすさ
接着剤はそれぞれ粘度がかなり違う。
低粘度は布には染み込んでしまい使えないし、曲面でも使いにくい。
高粘度は作業性がいいけど、小さな穴なんかには入ってくれない。
接着する部品や作業方法によって選ぼう。
木工用ボンド
DIYで大人気の2種類のボンドがある。
「木工ボンド」と「タイトボンド3Ultimate」だ。
初心者からプロまで使っている超優秀なボンドたちだ。
木工ボンド(白ボンド)
ボンドの代名詞である木工ボンド。白ボンドとも呼ばれている。
ボンドと言われたら大半の人がこれを思い浮かべるんじゃないかな。
みんなも小学校の図工の時間にお世話になったはずだ。
特徴をまとめるとこんな感じ。
- コスパ最強
- 木材、紙、布、革に使える
- プラスチック、金属、ガラスにはくっつかない
- 接着強度はそこそこ
- 接着後はやわらかめ
- 接着時間が長い
- 水に薄めて使える
- 耐水性、耐候性はよくない
メーカーはコニシ、セメダインがあるけど、中身は同じと思っていい。使い方も同じ。
木工と書いてるけど、紙、布、革にも全然使えるやつ。
イメージ的には庶民のボンドって感じだけど、プロも普通に使っている。
でもプラスチック、金属、ガラスにはくっつかないので注意してほしい。
100均のプラスチック製品なんかは全然くっつかない。
具体的にはPEポリエチレン、PPポリプロピレン、シリコン、テフロン。表面がツルツルしてる素材、水をはじく素材で覚えればOK。
くっつかない素材でも強力に接着できるボンドは後で紹介しているので興味があれば見てほしい。
接着力はそこそこだけど、コスパ最強の接着剤だ。
でも接着時間が長いので、作業が中断しがちになるのがちょっと難点だ。
広い面積に塗布する、またはあまり強度を必要としない部分なんかに多用する。
白ボンドは耐水性が無い代わりに、水で薄めて塗布できる。
模型、ジオラマ、布などの繊維質を扱うときに重宝する。
接着剤は白いけど、固まると半透明になるので色の変化を心配せずに安心して使える。
ジオラマのフェイクモスの固定なんかに使える。
モノづくりをする人なら、一本は持ってて損はない接着剤だ。
固まるまでの時間が長いので、広い面積やちょっと位置調整したいときに使える。
正直、この木工ボンドと次のタイトボンド3の2本でいいと思う。
タイトボンド3 Ultimate
DIYerはみんな大好き「タイトボンド3Ultimate」。
プロも御用達の最強ボンドと言っていい。
接着剤を1種類しか選べないなら、間違いなくこのタイトボンド3を選ぶ。
海外のDIY動画とか見ても、みんなタイトボンドを使っている。
特徴はこんな感じ
- DIY最強ボンド
- 耐水性、耐候性も最強
- 食器にも使える安全安心のFDA認証
- 固まるのが早い 20分
- 固まった後も硬いので研磨できる
- 値段が高い 木工ボンドの5倍くらい
タイトボンド3はFDA認証されていて、食品衛生法に適合している安全安心のボンド。
食器みたいな食品周辺のものにも使えるくらい安全なボンド。
タイトボンド3は白ボンドに比べて固まり始めるのが早い。
20分くらいで固まって、剥がそうとしたら木材の表面が持っていかれるくらい強い。
なので、接着の待ち時間が短くてどんどん作業を進められる。
かなり硬めに固まるので、研磨して母材になじませたりできる。
何にでも使えて、木材、紙、布、竹、皮、陶磁器、石膏、コルク、発泡スチロールにも使えちゃう。
最終的な接着強度は白ボンドの3倍くらい強くて最強。
強度、耐久性が必要なところにはタイトボンドを使う。
耐水性、耐候性も最強なので屋外で使う場合もこれ一択だ。
もう無敵。
でも木工ボンドに比べて5倍くらい値段が高いから、富豪じゃないと使えない。
なので基本は木工ボンドと併用することになる。
瞬間接着剤
瞬間接着剤といえば、アロンアルファが代名詞だと思う。
だけど、他のメーカ―もたくさんあるので知ってて損はしない。
万能(金属、木材、プラスチック、ゴム、陶器など)
僕が使っているのはロックタイト多用途プロユースタイプ。
一部を除きなんにでも使える万能選手だ。
アルミパッケージ付きで密封できるので長持ちするし、万が一接着剤が漏れても被害が小さくてすむ。
そして、僕が選んだ理由はこんな感じ。
- 何にでも使える万能選手
- 接着力が強い
- 白くなりにくい ダントツNo1
- ドロッとしてて使いやすい
- アルミパッケージで保管しやすい
- ノズル先端が固まらない
たいていの素材に使えるので万能感がすごい。
接着剤が出てくるノズル先端が固まらないので、次回使用時のストレスから解放される。
一番の特徴が白化しにくいことだ。
瞬間接着剤は白化現象と言って、周りが白くなりやすいんだけど、この接着剤はほとんど白くならない。
換気すればもっと白化を抑えられる。
アクセサリー、模型作りの人にはほんと重宝すると思う。
後、結構ドロっとしているので使いやすい。
でも、PCや電気機器周辺には別のやつがおすすめ。
ロックタイト多用途も、ほかの瞬間接着剤に比べたら電子部品周辺に使えるほうだけど、それでもリレー・スイッチのすぐ近くには使いにくい。
見えないくらいの白化現象でもスイッチなどに悪さして、電気の通りを悪くしてしまうからだ。
金属用 高強度
金属用で強度が必要なシーンではプロユース 高強度金属用。
PC、電気機器周辺(接点不良が起きにくい)
PCや電気機器周辺でも使える接着剤。それがこれ。
瞬間接着剤のようなノータイム接着じゃないけど、超速乾ですぐ固まってくれる。
この接着剤は、シロキサンフリーっていう特徴があって白化しない。
鉄道模型や家電の修理なんかにはほんと重宝する。
瞬間接着剤代わりの硬化速度でシロキサンフリーは結構珍しい。
小さな電流を扱う電気機器には特に使ってほしい。
PCのマウスなんかは、顕著に差が出る。クリック部分にマイクロスイッチを使っていて、普通の瞬間接着剤ではすぐにダメになるからだ。
ゲームコントローラーやミニ四駆、鉄道模型の加工なんかに最適。
多用途
接着剤の代表選手みたいなやつら。
ホームセンターなんかには必ずあるので、手に入りやすい。
何にでもくっつくセメダイン 超多用途スーパーX。鉄、ステンレス、ナイロン、革、布、石、コンクリート、これだけでOK。
まあPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)にはくっつかないけどね。
PP、PEにくっつくものもあるので後で紹介する。
- 何にでも使えて、日常使いに便利
- 接着力が強い
- 衝撃、振動に強い
- ゴムのように固まる
- 耐水、耐候性が抜群
多用途の有名どころは「セメダインの超多用途スーパーX」、「コニシのウルトラ多用途SU」とかになる。
耐久性もばっちりなので靴、スニーカーの底の修理なんかに使っている。
接着剤を使ったほうが耐水性は上がってるんじゃないかな?ってくらいに水に強くなる。
ここ数年で有名になったゴリラグルークリア。
一時TVやホームセンターでCMをバンバンやっていたので、知ってる人は多いと思う。
ゴリラグルークリアは母材を水でぬらす必要があるのがめんどくさいから、僕はあまり使わないけどね。
ポリプロピレン、ポリエチレン、シリコンにくっつく接着剤
「スコッチ 超強力接着剤 プレミアゴールド スーパー多用途2」
瞬間接着剤じゃないけど、超強力。
セメダインppxは瞬間接着剤なので便利だ。
この二つがホームセンターで入手しやすいと思う。
PP、PEは特級呪物。
ほんとにくっつかない。
接着するには専用の接着剤が必要になる。
なかなか使う機会はないけど、必要に迫られたら買うしかない奴ら。
必要になってから買うのでいいと思う。一部のハンドメイド作家さん以外は一生使わないかもね。
ボンドは小さいものを買うこと
すごく大事なことは「ボンドや接着剤は小さいものを買う」だ。
初心者ほど小さいサイズを購入することをおすすめする。
なぜなら、数か月後には固まって使えないことが多々あるからだ。
いざ使おうとするとき、チューブの中でがちがちに固まってそのままゴミ箱行きだ。(遠い目)
往々にしてある。ほんとにお金を無駄にしてきた。
なので、お得感から大容量をいきなり買わないようにしよう。
まとめ
ハンドメイド、DIYでものづくりをすると必ずお世話になるボンドを紹介した。
ボンドや接着剤は種類が多すぎて、実際の使用感がわからないことが多いと思う。
買ったはいいけど、「思ってたんとちゃう」ってなることが、しばしばある。
僕はけっこう接着剤に関して試したので、ぜひこの記事を参考にみんなに適したボンドを選んでみてほしい。
まだまだ、使用目的の違う接着剤の話があるので、別の機会に紹介しようと思う。
ホットメルト、ねじロック、エポキシなどなど。