簡単、失敗が少ない、手触りが良くなる、DIYの完成度をグッとあげてくれるのがワックスだ。
しかし塗装のやり方によって、ワイルドなビンテージ風、上品なアンティーク風と表情が全然違ってくる。
今回はそのワックスの塗り方と失敗しないコツを説明していこうと思う。
DIYの塗装に悩んでいる人はぜひ参考にしてほしい。
まあ、塗装後のふき取りだけしっかりやれば、失敗はないと思ってくれていいんだけどね。
ワックスとは
塗り方を説明する前に、ワックスの特徴を説明しようと思う。
塗装は種類ごとに完成形が違うので、ワックスが自分の想像どおりの塗料なのかを確認してほしい。
ワックスの特徴
ワックスは木材の木目を引き立たせて古材の風合いにしてくれる初心者にオススメの塗装だ。
でも、事前準備や乾燥時間でかなり表情に違いが生まれるので目的に合った方法で塗装してほしい。
特徴をまとめるとこんな感じ。
- 木目を強調、着色、ツヤだし
- 水、汚れからの保護
- 古材のような仕上がり
- 事前準備で表情が変わる
主成分
DIYで使うワックスは、バターのような半固形の塗料だ。
主成分は「蜜蝋」「植物性油脂」で空気に触れると固まる性質を持っている。
この性質を利用し、木材の表面に浸透して着色し、表面に薄い塗膜で保護、ツヤを出してくれる。
おすすめワックス オールドウッドワックス
断然「オールドウッドワックス」をおすすめする。
ブライワックスも高品質なワックスだけど、色移りしやすいのが難点。あとくさい。
その点オールドウッドワックスは色移りしない、匂いもないのでおすすめだ。
なので今回はオールドウッドワックス(チーク)を使って塗り方を説明していく。
ブライワックスでも塗り方に違いはないので安心してほしい。
ブライワックスと比較した記事もあるので詳しくはそっちを見てほしい。
塗り方の手順
最初にも書いたけど、しっかりと「ふき取る」。
これさえ行えば基本的に失敗はないと思っていい。
色の濃さ、風合い、仕上がりは好みに合わせて調整すればいいので、フリースタイルで塗ればいい。
あと、どの塗料でも同じだけど常に部屋は換気しておこう。
色の濃さについては最後に比較しているので気になる人は見てほしい。
準備するもの
- 手袋 ポリエチレンがオススメ
- 紙やすり 180番手(120~240番くらいでOK)
- ショップタオルス(ウエス、キッチンペーパーでもOK)
- スチールウール、タワシ(個人的には両方使わない)
1.下地調整
仕上がりの違いは「下地準備」でほぼ決まる。
木材の表面にやすりがけをすることで表面の粗さを均一にできる。
なぜ均一にするかというと、塗装のムラをなくすためだ。
木材の表面が荒いほど表面積が増えるのでワックスがしみこみやすく、色が濃くなる。でもざらざら。
逆に表面をきめ細かくするとワックスの塗膜が少なく色が薄めになる。でもすべすべ。
なので、好みに合わせて調整してほしい。
ワイルドなビンテージ風・・・下地を荒く仕上げる、あえて傷を付ける
高級感のあるアンティーク調・・・下地を丁寧に仕上げる、傷をなくす
同じSPF材で比較してみたのでぜひ参考にしてほしい。
木材の種類についてはこっちを見てほしい。
上の写真は下地を荒く仕上げた場合の塗装後。
木目に逆らって#80でサンディングしたり、のこぎりで傷を付けたりした。
見てわかるように塗料の吸い込みにムラができる。
これはやりすぎてビンテージ風ではなくて、ただただ汚くなってしまった例だ。
ホームセンターで購入した2x4材と呼ばれる木材をそのまま使うとこんな感じになる。
木の種類としてはSPF材、ホワイトウッド。
下の写真はSPF材を#180で丁寧にサンディングした塗装後になる。
木目がきれいなところを選んだ写真だけど、高級感もあり手触りもすべすべ。
ホームセンターで買ってきた木材は表面がきれいに見えても、けっこう細かな傷がある。
なので下地調整は必ずしよう。SPFでもこんなに美しい木肌になってくれる。
2.塗布する
下地処理後の木くずを掃除したら次はワックスを塗ろう。
ウエスでもショップタオルでもなんでもOK。
あえて言うなら冬場はワックスが固いのでウエス、夏場は柔らかいのでショップタオルが適している。
オールドウッドワックスは伸びがいいので、思っているより少ない量でOK。
でも少なすぎるとムラの原因になるので注意が必要。
これくらい雑に塗ってもOK。
基本は木目に沿って塗りこむ。
ゴシゴシはしません、すーっと。木の繊維に塗り込むような感じ。
3.拭き取る
すぐにふき取ってもOK。基本は10分以内に拭き取ろう。
着色の濃さに合わせて調整してほしい。
冬場に30分放置したら、固着して地獄を見た。(腕が〇んだ)
オールドウッドワックスは乾燥が早く、固まりやすいので特に注意。
何度も言うけど「しっかり拭き取る」こと。
キレイなウエスに色移りしなくなるまで、何度も磨くように拭き取ろう。
拭き取りを怠ると、色移りの原因になるし表面がデコボコになってしまう。
ここでスチールウールやたわしを使って拭き取ると艶が出る。
いろいろ試したけど、ほとんど差はないと思っている。
ウエスとスチールウール拭き取りを横に並べても、じっくり見ないと分からないくらいの差だ。
なので個人的にはやらない。2度塗りしたほうがツヤが段違いに出るし、楽。
重ね塗りによるツヤ、濃淡の比較
上の写真は色の濃さを強調したサンプル。
左側はワックス塗布後すぐに拭き取り、右側は10分放置後にふき取りしたサンプルだ。
両方ともに1~3回まで塗った比較写真だ。
すぐに拭き取ったものと10分放置したものでは、色の濃さにはっきり差が出ている。
10分放置したほうが木目が強調されているように感じられる。その分細かなキズも強調されている。
重ね塗りも回数が多いほど色が濃くなっている。
なので淡い色の場合はすぐに拭き取って完了でもいいし、濃い重厚な色なら時間をおいて数回塗り重ねればいい。
おすすめは10分放置の2回塗り。色もツヤもバランスがいい。(下の写真の真ん中)
3回塗りと色艶にほとんど差はない。手触りもすべすべ。
ツヤはこんな感じ。2回塗りすると手触りも段違いによくなる。
後処理
使用したウエスなどは必ずたっぷりの水に浸してから捨てよう。
油性塗料なのでそのまま捨てると自然発火することがある。マジで気を付けよう。
まとめ
ワックスは自由に塗ればいいと思う。拭き取りさえしっかりすれば。
塗り方の数だけ仕上がりも違ってくる。
下地処理で仕上がりに大きな差が出るので、しっかりサンディングすることを心掛けよう。
色調整のコツはふき取りまでの放置時間だ。特に1回目のふき取りまでの時間。