「DIYで配線をきれいに、安全につなぎたい」
「圧着工具はどれを選んだらいい?」
「電気工事士試験で使える工具は?」
そんな疑問を持つ初めて圧着端子を扱う方に向けて、詳しく解説していく。
DIYレベル~電気工事士試験までカバーする内容となってるので、初心者にこそ読んでほしい記事。
目次
圧着端子とは

被覆を剥いた電線に金属端子を圧着して、配線や端子台への接続に用いられる。
使用できるのはより線。一部で単線も使えるけど、基本はより線用と考えよう。
圧着端子の種類
圧着端子は、大きく分けると【裸(はだか)】【絶縁被覆付き】の2つに大別される。
裸圧着端子

もっとも使われている
圧着部の金属がむき出しのタイプ。一番ポピュラーな圧着端子。
形状は丸端子、Y端子が一般的。棒端子もある。
写真の丸形圧着端子はJISで規格化されているので、【JISの要件を満たす】工事に使える。
・丸形(R形)・・・丸端子。JISで標準化。リング状で閉じているので端子台から抜けない。安全。
・先開形(Y型)・・・Y端子。JISで標準化されていない。付け外しが容易。
・棒端子・・・JISで標準化されていない。より線を単線に変換したいときに使う。単線用の差し込み端子台など。

基本的に絶縁キャップ(TIC、ビニルキャップ)と一緒に使う。絶縁キャップの色や印字で配線の識別にも使う。
絶縁被覆付き圧着端子
個人的に好き

あらかじめ圧着部に絶縁体の被覆がついている圧着端子。
絶縁キャップが不要なので手軽なのがメリット。しかしカシメ具合が裸端子に比べると強度が劣る。
こちらも端子形状は、丸端子、Y端子、棒端子がある。同様に丸端子のみJISで標準化されている。

被覆の色は一般的に使用する線の太さで分かれている。黄0.3㎟、赤1.25㎟、青2.0㎟。
赤1.25㎟、青2.0㎟がJISになっているので、工具も赤1.25㎟、青2.0㎟用が多い。
黄0.3㎟もカシメられる工具はちょっと珍しい。
専用の圧着工具を使う

圧着(カシメ)には圧着工具が必要。
ペンチの代用はNG

圧着工具で圧着端子をちゃんとカシメると、円柱部分がこんなにも圧着される。これをペンチではとてもじゃないけどできない。
ペンチでは圧着不足になり電線がスポッと抜けてしまう。事故のもとになるのですごく危険。
必ず圧着工具を使おう。
圧着工具の種類と選び方
ラチェット式でJIS認証の工具がおすすめ
ちょっと高いけどね。でも作業品質と作業効率はラチェット式が圧倒的にいい。
では圧着工具の基本を説明していく。
裸用と絶縁被覆付き用は「工具を共用できない」

「裸圧着端子」と「絶縁被覆付き圧着端子」は圧着工具を共用できない。
上の写真で見られるように、形状が異なる。そもそもカシメ寸法も全然違う。
左が裸圧着端子用、右が絶縁被覆用の圧着工具。
裸用はがっちり圧着できるように凸の形状になっている。
絶縁被覆用は被覆の厚み分、ふっくらした形状になっている。

刃の形も両者で大きく違いがある。
裸用圧着工具は円形の刃で段差がない。さらに、奥に印字用の数字が刻印されている。見えるだろうか?2と言う印字があるのが。
これは1.25㎣なら1,2㎣なら2と圧着端子に刻印される。
絶縁被覆付きのほうは2段の刃になっているのが特徴的。絶縁被覆の圧着は緩めで形状はメーカーごとに異なり、ひし形、楕円、などバラバラ。
ラチェット式、簡易式の違い
ラチェット式がおすすめ

ラチェット式はカチカチカチって閉じることができ、軽い力で圧着できる機械式。一定まで閉めないと広げることができないので一定の品質で圧着できる工具だ。作業品質と効率がいいけど値段が高い。
簡易式は、単純にハサミのように手の力で締め付ける構造。値段が安い。
DIYなら安い簡易式でいいかー、、、と思うかもしれないけど、僕はラチェット式をおすすめする。
なぜかと言うと、作業品質だけでなく、JIS認証と言う通行手形があるからだ。
電気工事士試験や業務で使うにはJIS認証の工具
裸用はJIS認証工具がある
裸圧着端子の圧着工具はJIS C 9711で規格化しており、電気工事の試験などではJIS認証の工具を使う必要がある。
JIS準拠品の工具もあるけどNG。準拠はしているけど認証されていないので注意してほしい。認証品はJISと刻印がある。
また仕事で使うときも、JIS認証の工具を推奨する。JIS認証工具じゃないと使えない案件や現場が往々にしてある。
そしてJIS認証工具はラチェット式のみしかない。JISでラチェット式であることが規定されているからだ。なので、簡易タイプの圧着工具でJIS認証工具は無い。
趣味のDIY範囲であれば、安価な簡易式でもいいと思うけど,2,000円くらい追加で出せばラチェット式が買える。作業効率も作業品質もラチェット式のほうが圧倒的にいいので、僕はラチェット式をおすすめする。
絶縁被覆用の圧着工具にJISはない
絶縁被覆付き用の圧着工具はJISになっていないのでJIS認証を気にする必要はない。各社で絶縁被覆の厚みに差があるためか、規格化されていない。
こちらもラチェット式と簡易式の工具があって、オススメはやはりラチェット式。
しかし絶縁被覆用は簡易式でもいいかなーとは思う。やはりJIS認証の有無がないこと使用頻度が低めであることが理由だ。
ではここからは、それぞれの圧着工具を深堀して説明していこうと思う。
裸圧着スリーブは裸圧着端子用の圧着工具が使える
裸圧着端子と裸圧着スリーブは共通の圧着工具が使える。重ね合わせPスリーブ、向き合わせBスリーブ共に使用可能。
P,Bスリーブはより線用の接続スリーブだ。8sqまでなら単線も可。
リングスリーブ用は別の圧着工具
単線同士の接続に使うリングスリーブ(裸圧着スリーブE型)。その圧着工具は専用の圧着工具が必要。
リングスリーブ用圧着工具はJISで指定されており、黄色のグリップになる。
圧着後は【大】【中】【小】の印字がある。
圧着端子のカシメ方
詳しくは別の記事にまとめようと思う。
圧着工具をホームセンターでレンタルできる?
ホームセンターでレンタルは無かった。
かなり探したけど、コーナン、カインズ、島忠、コメリなどの大手ホームセンターのレンタル工具に圧着工具は無かった。
まあ、マイナーだから仕方ないか。
ホームセンター以外でレンタルできるネットショップはいくつかあるけど、けっこう値段が高い。
送料を考えると新品と変わらない価格だ。刻印が薄くなっている可能性もあるので、電気工事士試験に使うのはおすすめしない。
買うほうがお得
DIYやホビー用途なら10年20年どころではなく、子々孫々と使える。
圧着工具はすごく長持ちする工具なので、長期的に考えると買ったほうがお得。
見てよ。
鉄むき出しでマウンテンサイクルから発掘されたような圧着工具が現役でいまだに活躍している。それくらい丈夫だ。

まとめ 圧着工具は安全のためケチらない
ラチェット式は高い。いいやつは1万円くらいする。小さいタイプでも5千円くらい。
がしかし、安全のためにも圧着工具はラチェット式を選ぼう。
特に仕事で使うならJIS認証されたものを選ぼう。
趣味のDIYの範囲で使うなら簡易式でもいいかな。いやラチェットがいいかな。



