クルマ、バイクでよく使われる【カプラー】の圧着方法(カシメ)について、初心者に向けて分かり易く解説していこうと思う。
DIYの電気配線にぜひ役立ててほしい。
カプラーの基本となる種類や構造に関しては別の記事にまとめているので、併せて読んでくれたらうれしい。
目次
カプラーの圧着工具

電工ペンチを使おう
カプラー端子の圧着には【電工ペンチ】を使う。圧着ペンチともいう。
電工ペンチはワイヤーストリッパー、ギボシ端子のカシメ、圧着端子のカシメにも使えるのでとても便利な工具だ。
ペンチなどでは代用できないので、必ず電工ペンチなどの専用工具を使おう。
使用する刃

カプラーの金属端子を圧着する電工ペンチの刃は、上の写真の右側のハート型の刃になる。
カプラーだけじゃなく、ギボシ、ファストン端子に使える刃になる。これらの刃はオープンバレル端子と呼ばれる端子形状で、共通の圧着工程でカシメることになる。
圧着は2ヵ所

カプラー端子は2ヵ所を圧着する。
1ヵ所目:電線の芯線
2ヵ所目:被覆の上から
電線の被覆を剥いた芯線と、被覆の上の2ヵ所を圧着する。圧着する太さが違うので、電工ペンチの刃の大きさも変える必要がある。
オス、メスの圧着方法は同じ

カプラーのオス・メス端子の圧着方法は同じ。
ハウジングと端子形状は違うけど、カシメ方は全く同じでもちろん工具も同じで大丈夫だ。
カプラー端子の圧着方法
今回使うのは「110型」サイズになる。ハウジング、金属端子ともに110サイズを使っている。
電線サイズは0.5sq(AGW20)。電線は細いほど圧着の難易度が上がるので、0.75~1.25sqのほうが圧着しやすい。
初心者の方は1発で圧着を成功させるのは難しいので、予備の端子を準備しておこう。慣れてても失敗することはある。
ステップ1:電線の被覆を剥く

電線の被覆を電工ペンチのワイヤーストリッパーで剥く。剥く長さは約5mm。端子サイズやメーカーで前後するので各々調整してほしい。
端子から芯線が1mmほど余るくらいの長さが最適だ。
電線サイズに適した刃でストリップしよう。
電工ペンチでの被覆剥きが苦手な人は、クラッチ式を使うことをお勧めする。芯線が切れてしまうことが激減する。
ステップ2:芯線をカシメる

カプラーを含むオープンバレル端子は、2回に分けて圧着するのが基本。1回でカシメると歪な形になり失敗しやすい。
1回目は大きな径で端子を軽く形成し、2回目でしっかり圧着しよう。
今回は電線0.5sqなので1.25sqの刃で仮圧着して、0.5sqで本圧着した。
芯線の本カシメは電工ペンチがしっかり閉じるくらいカシメよう。

被覆部を巻き込まないように注意。またカシメ後に芯線が1mmくらい見えるのが理想だ。
ちゃんと圧着できると、端子がキレイなハート形になる。
ステップ3:被覆をカシメる

被覆部の圧着はINSの刃を使う。INSは被覆用の刃を意味する。
被覆部は大きなツメが被覆に軽くグッと抑える程度にカシメる。被覆を突き破って芯線を断線しないように注意しよう。
電線サイズによってはINSを1回目で仮圧着、1.25sqで本圧着と2回に分けることもある。
使用するサイズによって調整してほしい。また、被覆部の圧着は力いっぱい握らずに、被覆の様子を見ながら圧着しよう。
力いっぱい圧着すると電線が千切れることがある。ギボシの失敗例を下に挙げておく。


カプラー端子のカシメ後の状態が上の写真になる。芯線、被覆共にハート形になっている。
以上でカプラー端子の圧着は完了となる。
後はハウジングに端子を挿入するだけだ。
ステップ4:ハウジングに端子を差し込む


カチッと音がするまで
「カチッ」と音がするまで端子を挿入しよう。押し込みにくい時はラジオペンチ、つまようじなどでグッと押し込もう。
メス端子はメスハウジングにしか入らない、オス端子も同様なので、オスーメスを間違えることは無い。
各端子の天地も間違えることは無いと思う。無理やり押し込まないと入らない。
端子の飛び出ているヒンジ部分が、ハウジングの溝にはまるように挿入すればすんなり入るはずだ。
異なる電線サイズをカシメるとき
0.5sq電線の圧着:1.25で仮圧着→0.5で本圧着、被覆をINSで仮圧着→ゆるければ1.25で本圧着
0.75sq電線の圧着:INSで仮圧着→1.25で本圧着、被覆をINSで圧着
1.25sq電線の圧着:INSで仮圧着→1.25で本圧着、被覆をINSでかるめに圧着
工具の刃、端子メーカーによって調整は必要だけど、大体こんな感じで圧着できると思う。
まとめ 電工ペンチで2ヶ所を圧着
電工ペンチさえあれば、カプラーは簡単に圧着できる。
複数の配線を一度に脱着でき、その脱着もとても容易な優れた配線方法。
バイク、クルマで多用されるのでしっかり予習して臨んでほしい。


