販売価格はどう決めればいいの?
と悩む人が多いと思う。特に初心者は。
「安すぎると利益が出ない」「高すぎると買ってくれない」「適切な価格設定が知りたい」などなど。。。
でも、悩むと同時に
どれくらい高く売れるかなー、ぐへへ(笑)
という妄想に取り付かれる。
自分の作品が世に出て売れることを妄想するのだからしかたない。楽しい時間だ。
では、現役作家であるヒヨコはどのように価格設定したのかを見ていこう。
ハンドメイド初心者の方はぜひ参考にしてほしい。
ハンドメイド販売の収支報告も記事にしているで、興味があれば読んでほしい。
目次
現役作家のリアルな価格設定
ヒヨコの初期作品の原価率は驚異の77.4%。
【原価の3倍】なんて無理やで、、、
内訳 | 値段 | 率 | メモ |
---|---|---|---|
販売価格 | 5,000 | - | 市場価格を参考 |
利益 | 1128 | 22.6% | 利益少なすぎ |
材料費 | 1200 | 24% | 最初なので割高 |
人件費 | 1500 | 30% | 1,500円/1時間で計算 |
送料 | 520 | 10.4% | ほぼ固定費扱い |
梱包費 | 100 | 2% | 100均を活用 |
手数料 | 552 | 11% | サイトにより異なる |
一般的な価格設定は【原価の3倍】と言われている。
ほんまか?!
個人的な考えだけど、この【原価の3倍】は初心者には適切な価格設定ではないと思っている。
というか無理やで、、、と思っている。
初心者は【人件費】【材料費】が高くなる
原価の内訳から見てわかるように「人件費」と「材料費」だけで合計50%を超えている。
これには理由があって、初心者が最初から効率よくものづくりができないからだ。
作業効率も悪いし、材料を無駄なく活用することは難しいからだ。
【手数料】【梱包費】はほぼ固定費
さらに「梱包費」+「手数料」だけで13%を超えている。
送料は購入者負担に設定すれば0%にできるけど、梱包費と手数料はどうしようもない。
特に手数料は作家がいくら頑張っても下げることができない。
結局、原価の3倍は無理なのか?
って思ってたけど、
時間と共に原価は改善される
最初は原価率77.4%という絶望的な数字だったけど、今では40%くらいまで下げることができている。
もちろん初期作品をそのままで利益改善したわけではなく、デザイン、素材、製造工程の変更を行った結果だ。
ではどのように原価を下げたのかを詳しく説明するとともに、販売価格の決め方も見ていこう。
販売価格とは
販売価格の内訳は上図となる。
販売価格とはお客さんに買ってもらう価格。
「販売価格」=「原価」+「利益」
この「原価」「利益」を設定せずに販売価格を決めてしまうと、最悪赤字になってしまう。
売れば売るほどお金が出ていく、意味の分からない状況になるので注意しよう。(笑えないリアルな経験あり)
1.原価
「原価」には「材料費」「送料」「手数料」「人件費」などが含まれている。
人によって異なるので、一度ピックアップしてみよう。僕の場合はこんな感じ。
- 材料費
- 交通費(お買い物、出荷時など)
- 送料
- 梱包費
- 人件費(自身の工数)
- 手数料
- 電気代、水道代、家賃、工具、消耗品など
大まかな数字でいいので自分の作品の原価を出して、原価率を計算する。
交通費や電気代なんかは毎回計算するのがめんどくさいので、固定金額を材料費にぶち込んで算出している。
自動で簡単に計算してくれる原価計算フォームを作ったので活用してほしい。
2.原価率
一般的に、原価率は30~40%と言われているのでこれを目標に設定しよう。
、、、、ほんまか?
みんなそんな低い原価率で作ってる??
と疑うくらい、そんな低い値にならない。
なんせ初心者だから、、、効率よく作れるはずがない。(真理)
まず「人件費」(=工数)がでかい。量産するための知識も、知恵も、設備も、治具も、何にもない。
手探りの状況で作っているから、時間がかかるかかる。
そして「材料費」も大きい。
初心者のうちは、材料を少量ずつ用意することになるので、こちらも必然的に割高になる。
「最初からたくさん材料を購入すればいいじゃん」と思うかもしれないが、これはほんとにお勧めしない。
ほんとにお勧めしない。(大事なことなので2回言った)
大量に買った材料が不良在庫になる可能性が大いにあるからだ。(経験談)
これが積み重なって、初期作品の原価率は77.8%をたたき出した。
でも安心してほしい、この値は徐々に下がっていく。
3.利益
一番大事。
このために副業をしている。(本音)
「利益」=「人件費」として、安売りする人もいるけどお勧めしない。
ハンドメイド副業を続けるなら、新しい工具や機械、設備の導入、新商品の試作が必要になってくる。
その費用を人件費から捻出すると、手元に残るお金が無くなるからだ。
そのためにも、しっかり利益は確保すべき。
初心者の頃は利益は小さいが、だんだん利幅は大きくなる。
作ることに慣れたり、製造工程の工夫、構造・材料の見直しなどで改善されていく。
実際、原価70%over商品は、2か月後に原価50%まで下げることができた。
しかも、まだまだ下げられる。
どうやって原価を下げたのか、詳しくは別の記事にしようと思う。
その記事がこちら。
販売価格を決めよう
販売価格の内訳が理解できたら、次は実際に販売価格を決めよう。
方法はたくさんあるが、
初心者は「1:市場調査して相場に合わせる」がおすすめ。
逆におすすめしないのが「3:周りの知人に聞いてみる」だ。
ほんとうにおすすめしない、、、
1.市場調査して相場に合わせる
minneやCreemaに出品されている似たハンドメイド作品を参考にする。
思いのほか高い価格設定がされていることもあるので、創作意欲がわいてくる。
まあ、そういう商品はプロが高級素材で作ってたりするのだけど、、、(遠い目)
自分の作品と同等の商品の価格設定と比較することを心掛けよう。
大事なことは「ハンドメイド品」を参考にすることで、「大量生産品」と比較しないこと。
メーカーの大量生産品に、僕たち個人勢が生産力で立ち向かうのは無謀だからだ。
2.原価率60%を目標に
本来は30~40%が適正なんだけど、先述したとおり初心者では難しい。
なので、60%を目安に設定するのがおすすめ。
初心者でも実現できるひとは才能があると思う。たくさん儲けるんだろーなー。(うらやましい)
3.周りの知人に聞いてみる
この方法はおすすめしない
他の副業ブログではおすすめしているところもあるけど、個人的には全く参考にならなかった。
聞く相手が適正価格を知っている可能性が低いからだ。
・商品ジャンルの相場を知っている
・ハンドメイドと大量生産品の違いを知っている
・あなたが作った作品のポイントを理解できる
これくらいの条件がそろっていないと、参考にならないのだ。
そんな人が身近にいる?
僕の作品で5,000円で売れている作品がある。
この作品を出品する前に、知人に「相場はどれくらいだと思う?」と聞いてみたところ、
1,000円
と絶望する答えが返ってきた。
材料費にも満たない価格である。これは聞く相手を選ばなかった僕が悪いのだけど。
そもそも、そのジャンルに興味がない=作品を必要としない=だからお金を払う価値がないのである。
同様に数人に聞いたが、同じような価格だった。
絶望するだけだったので、僕は鋼の精神をもって聞かなかったことにして、もくもくと市場調査を始めた。
もしあなたの周りに、同じジャンルの作家がいれば相談することはいいことだと思う。
まとめ
今回はハンドメイド初心者に向けた適切な価格設定について記事にまとめてみた。
実際にヒヨコが体験した内容なので、作品ジャンルによってはかなり整合性のある内容だと思う。
これからハンドメイド販売を始める方の参考となれば幸いだ。
まあ、巷でよく言われる原価の3倍は理想値だと割り切ってベストを尽くすのが吉だと思う。