ハンドメイド、DIY作品を販売するときに「販売価格はどう決めればいいの?」と悩む人が多いと思う。特に初心者は。
「安すぎると利益が出ない」「高すぎると買ってくれない」「適切な価格設定が知りたい」などなど。。。
でも、悩むと同時に「どれくらい高く売れるかなー、ぐへへ」となってしまう時間でもある。
自分の作品が世に出て売れることを妄想するのだからしかたない。楽しい時間だ。
では、実際にどのようにして販売価格を設定したのか紹介しようと思う。
簡単に設定できるし、自分に合った調整もできるので参考にしてほしい。
※最後に実例も紹介するのでそちらも併せて見てほしい。
販売価格とは
販売価格の内訳は上図となる。
販売価格とはお客さんに買ってもらう価格。
「販売価格」=「原価」+「利益」
この「原価」「利益」を設定せずに販売価格を決めてしまうと、最悪赤字になってしまう。
売れば売るほどお金が出ていく、意味の分からない状況になるので注意しよう。(笑えないリアルな経験あり)
1.原価
「原価」には「材料費」「送料」「手数料」「人件費」などが含まれている。
人によって異なるので、一度ピックアップしてみよう。僕の場合はこんな感じ。
- 材料費
- 交通費(お買い物、出荷時など)
- 送料
- 梱包費
- 人件費(自身の工数)
- 手数料
- 電気代、水道代、家賃、工具、消耗品など
大まかな数字でいいので自分の作品の原価を出して、原価率を計算する。
交通費や電気代なんかは毎回計算するのがめんどくさいので、固定金額を材料費にぶち込んで算出している。
2.原価率
一般的に、原価率は30~40%と言われているのでこれを目標に設定しよう。
、、、、ほんまか?
みんなそんな低い原価率で作ってる??
と疑うくらい、そんな低い値にならない。
なんせ初心者だから、、、効率よく作れるはずがない。(真理)
まず「人件費」(=工数)がでかい。量産するための知識も、知恵も、設備も、治具も、何にもない。
手探りの状況で作っているから、時間がかかるかかる。
そして「材料費」も大きい。
初心者のうちは、材料を少量ずつ用意することになるので、こちらも必然的に割高になる。
「最初からたくさん材料を購入すればいいじゃん」と思うかもしれないが、これはほんとにお勧めしない。
ほんとにお勧めしない。(大事なことなので2回繰り返す)
大量に買った材料が不良在庫になる可能性が大いにあるからだ。(実体験済み)
ちなみに、僕の初期の原価率は70%over、、、、だった。
でも安心してほしい、この値は徐々に下がっていく。
3.利益
一番大事。
このために副業をしている。(本音)
「利益」=「人件費」として、安売りする人もいるけどお勧めしない。
ハンドメイド副業を続けるなら、新しい工具や機械、設備の導入、新商品の試作が必要になってくる。
その費用を人件費から捻出すると、手元に残るお金が無くなるからだ。
そのためにも、しっかり利益は確保すべき。
初心者の頃は利益は小さいが、だんだん利幅は大きくなる。
作ることに慣れたり、製造工程の工夫、構造・材料の見直しなどで改善されていく。
実際、原価70%over商品は、2か月後に原価50%まで下げることができた。
しかも、まだまだ下げられる。
どうやって原価を下げたのか、詳しくは別の記事にしようと思う。
その記事がこちら。
販売価格を決めよう
販売価格の内訳が理解できたら、次は実際に販売価格を決めよう。
方法はたくさんあるが、
初心者は「1:市場調査して相場に合わせる」がおすすめ。
逆におすすしないのが「3:周りの知人に聞いてみる」だ。
ほんとうにおすすめしない、、、
1.市場調査して相場に合わせる
minneやCreemaに出品されている似たハンドメイド作品を参考にする。
思いのほか高い価格設定がされていることもあるので、創作意欲がわいてくる。
まあ、そういう商品はプロが高級素材で作ってたりするのだけど、、、(遠い目)
自分の作品と同等の商品の価格設定と比較することを心掛けよう。
大事なことは「ハンドメイド品」を参考にすることで、「大量生産品」と比較しないこと。
メーカーの大量生産品に、僕たち個人勢が生産力で立ち向かうのは無謀だからだ。
2.原価率30~40%として計算
この価格設定が本来は正解と思うのだけれど、初心者では難しい。
なので、選ばれた人だけの選択肢。
初心者でも実現できるひとは才能があると思う。将来的にはもっと原価率を下げて、たくさん儲けるんだろーなー。(うらやましい)
3.周りの知人に聞いてみる
この方法はほんとにお勧めしない。
他の副業ブログではおすすめしているところもあるけど、個人的には全く参考にならなかった。
聞く相手を選ぶからだ。
・商品ジャンルの相場を知っている
・ハンドメイドと大量生産品の違いを知っている
・あなたが作った作品のポイントを理解できる
これくらいの条件がそろっていないと、参考にならないのだ。
そんな人身近にいます?(ボッチが悪い)
僕の作品で5,000円で売れている作品がある。
この作品を出品する前に、知人に「相場はどれくらいだと思う?」と聞いてみたところ、
1,000円
と絶望する答えが返ってきた。
材料費にも満たない価格である。これは聞く相手を選ばなかった僕が悪いのだけど。
そもそも、そのジャンルに興味がない、作品を必要としていない、だからお金を払う価値がないのである。
同様に数人に聞いたが、同じような価格だった。
絶望するだけだったので、僕は鋼の精神をもって聞かなかったことにして、もくもくと市場調査を始めた。
もしあなたの周りに、同じジャンルの作家がいれば相談することはいいことだと思う。
実例
僕の最初の作品の価格設定の内訳を紹介しようと思う。
内訳 | 値段 | 率 | メモ |
---|---|---|---|
販売価格 | 5,000 | - | 市場価格を参考 |
利益 | 1128 | 22.6% | 利益少なすぎ |
材料費 | 1200 | 24% | 最初なので割高 |
人件費 | 1500 | 30% | 1,500円/1時間 |
送料 | 520 | 10.4% | 小さければ安い |
梱包費 | 100 | 2% | 段ボール、プチプチなど |
手数料 | 552 | 11% | サイトにより異なる |
原価率は驚異の77.4%
一般的な原価率の2倍にもなった。
ハンドメイド初心者であっても、かなり悪い数値だと思う。
でもあまり心配はしていなかった。原価の大きなウエイトを占めている「人件費」と「材料費」はどんどん下がるだろうと予測できたからだ。
実際、2か月後には原価率50%を下回るくらいまで改善している。
なので、これからハンドメイド副業を始める人たちも、最初の原価率にあまりこだわらずにチャレンジしてほしい。
安売り合戦に巻き込まれないように注意は必要だけど。